こころの回復とセルフケア

裁判記録の音声が心をえぐる

しずくドロップ

その音声を、私は何度も再生していました。
裁判の証拠書類として提出するために、記録を文字に起こす
その確認作業でした。

そこには、かつての上司の怒鳴りつける声が響いていました。
「お前はだめだ」
「もう辞めてもらう。やめなければクビだ」

確実に刺さる言葉。
何度聞いても、鼓膜の奥で響き耳から離れません。

50代での喪失——キャリア、居場所、自信

自分を守るために始めた裁判だったのに、
それが今、自分の心を削っている
それが、皮肉でした。

時間が止まったような日々。
50代で突然の解雇。
あんなにも働いて、責任も背負ってきたのに、
それでも一瞬でキャリアが断ち切られました。

「泣いたって戻らない」
そんなことはわかってる。
けれど、気づけばまた、涙が流れてきました。

「何もしない日」が教えてくれたこと

何もやる気がおきない。誰にも会いたくない。
「このままだと、私は壊れる」そう思いました。

だから、私は外に出ることにしました。
図書館で本を読み、カフェでぼんやりと時間を過ごす。
初めて味わう感覚でした。“毎日が日曜日”みたいな日々。

ほんの少しずつ、頭の中が静かになっていきました。

「ある」に目を向ける

そのとき、私は気づきました。
「何もしない日」でも、「何かを感じられる時間」はあるんだ、と。

失ったものは大きすぎました。
仕事、居場所、自信、そして自分という輪郭さえも。

でも、ないものばかり数えていても、心は前に進めません。

失恋したときもそうでした。
大切な人を亡くしたときも。
どんな形であれ、人生には「喪失」がつきものです。

でも、「ない」に目を向けるばかりでは、
自分がどんどん見えなくなってしまう。

自分ファーストで生きよう

ある日、ふと思ったんです。
私は、これまで何を大切にして生きてきたのだろう?と。

どんなことに真剣に取り組んできた?
どんな仲間と仕事をしてきた?
私のことを大切に思ってくれている人は、誰?

思い出してみると、
私にはちゃんと「積み上げてきたもの」がありました。

だから、私は決めました。
・毎朝、決めた時間に起きること。
・目が覚めたらカーテンを開けて、深呼吸をすること。
・無職だからこそ、「自分の時間」を自分のために使うこと。

今日は何もできなかった
だけど、今日は壊れずに生き延びることができました。

最後に、自分に言い聞かせた言葉があります。
「一度きりの人生。自分ファーストで生きよう。」
そう思えた瞬間から、
私は少しずつ、自分を取り戻しはじめました。

まとめ
過去のつらさは簡単に消えませんが、
少しずつ歩むことで、心は軽くなっていきます。
今はまだ答えが見つからなくても、焦らず自分に向き合い続けることが大切。

同じように悩むあなたに、
小さなヒントをお届けできれば嬉しいです。

次回予告|過去を手放し、今を生きる
迷いながらも、私は少しずつ前に進んでいます。

自分に問いかけることで、
心に少しずつ変化が生まれた話をお伝えします。
最後までお読みいただきありがとうございました。

しずくドロップ

ABOUT ME
しずくドロップ
しずくドロップ
看護師・主任介護支援専門員・公認心理師
1970年生まれ B型。
争いごとは好まず、穏やかな毎日を大切にしてきました。ある日突然、不当解雇に遭い、やむを得ず現在は訴訟中。再就職活動も手探り状態で、人生の再出発をどう歩むか、自問する日々が続いています。
趣味は読書、東畑開人さんの本に癒されています。
記事URLをコピーしました